成道会

白龍山 瑞雲寺

2015年12月07日 07:02

成道会(じょうどうえ) 


12月8日は、お釈迦さまがお悟りを開かれた事を
お祝いする「成道会」の日です。





お釈迦さまはシャカ族の王子として生まれ育つ中で、
何不自由のない恵まれた生活を送っていました。
しかしある時「人は生まれてきた以上、
必ず年老いてゆくし,また病気にもかかる。
そして何より死というものは誰にでも必ず訪れる」という
自然の摂理に気づかれます。
この逃れようのない苦の現実をいかに受け止め
解決することが出来るのか。
お釈迦さまはその答えを求めて29歳の時に
王子の地位も、約束された将来も、恵まれた財産も
そして家族すらもすてて出家の道へと入られたのでした。
その後2人の修行者のもとで禅定を学び
また6年にもわたる苦行を続けられるのですが
この生活ではどうしても
本当の意味でのこころの安らぎを
得ることが出来ませんでした。

お釈迦さまは心と体の関係を「琴」にたとえて考えました。
「琴の弦は、緩んでいては良い音色を奏でることは出来ない。
これは欲望に自らをまかせた生活である。
ここに本当の安らぎはない。
しかし、弦は張り過ぎると切れてしまう。
それは自らの命を失うような苦行の生活だ。
ここにも、本当の安らぎは存在しない。」
欲望に任せた自堕落な生活でも
命を失いかねない苦行でもない
「ちょうどいい張り具合」にこそ
本当の安らぎがあるのだと感じたお釈迦さまは
苦行を離れ、身体を癒し
菩提樹の木のもとで坐禅に入りました。
そして一週間の後、ついにお悟りを開かれたのでした。

曹洞宗ではこのお釈迦さまのお悟りを讃え
また実践するために
12月1日から8日までの期間「摂心会」という
集中的な坐禅修行が各地の修行道場などで行われます。



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